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アナログな情景
夕映えの鏡となりし雪河原
影富士は裾に灯火の飾り引き
枯れ木立黒の色香の孤高かな
残照は零下のことば溶かしおり
鉄塔にwebをめぐらす宵間近
橋桁とライト川面を刻む冬
詠いたき暮色幕引く寒の闇
幾百の暮らし煌めく棟冬野
西方に富士追う鉄路凍りけり
暖かき席に眠りて飛ぶ枯れ野
キーならぬペンで文書く冬の旅
病む子待つ家路冬日はすでに消え
大寒の武蔵野線に身を任せ
北風は奢る都会を吹き飛ばし
逝きし人覚えて消えず残り雪
街の雪汚れるきわの紅椿
銀輪の残雪縫いて風を切る
日溜まりに重たき鉢を置く朝
寒空はcyber world嗤いおり
物語り眠りに落つる子の温み
子の髪を結う寒の朝気ぜわしき
寒風に頬染め戻る子息切らし
咳き込みし子の背さすりて春を待つ
雪の夜に静かなことば送りなむ
降る雪を透かして見たり紅梅か
寒梅は季語にて人の目に触れず
Winter in TOKYO, 1998
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