プロローグ
                           風のたよりほど
                           はかないものはない
                           風はつかめない
                           風が心を過ぎていく
                           時に激しく時にかそけく
                           風に揺れるもの
                           風に響くもの
                           その音に
                           人は舞い上がり沈み込む
                           風は罪作り
                           風まかせの気楽さは
                           風しだいの頼りなさ
                           
                            薫る風
                            北風
                            つむじ風
                            ビル風
                            みんな曲者
                           「風に吹かれて」が流れていた頃
                            風のことなど何も知らなかった
                            突風にあおられ
                            そよ風にくすぐられ
                            風にことばを託したい